教会に行くときの服装

教会の礼拝に行くとき、何を着ればいいのか。ジーンズやスニーカーでも浮かないのか。カトリック・プロテスタント・正教会など教派ごとのめやすと、夏と冬の注意点、靴と靴下まで、はじめて行く方向けにまとめました。

日曜日に教会へ行ってみようと思ったとき、最初に手が止まるのは「何を着ていけばいいのか」ではないでしょうか。スーツでないと失礼なのか。ジーンズでは浮かないか。着いてみたら周りが全員きちんとした格好で、自分だけ場違いだったらどうしよう。服装の不安は、たいてい「浮きたくない」という一点に集まります。

この記事が扱うのは、日曜日に教会に人が集まる時間に、はじめて参加するときの服装です。この時間の呼び方は教派によって違い、カトリックでは「ミサ」、正教会では「聖体礼儀」、聖公会では「聖餐式」、プロテスタントの多くは「礼拝」と呼びます(呼び方のちがいはカトリックとプロテスタントのちがいにまとめています)。この記事では、まとめて「礼拝」と書きます。

なお、結婚式に招かれた方は教会で結婚式を挙げるときを読んだうえで、招いてくれた方やその教会の案内にしたがってください。葬儀に参列する方はキリスト教の葬儀へ。日曜日の礼拝とは基準がまったく違います。

まずはこれだけ

  • きれいめの普段着で問題ないと案内している教会が多くあります。スーツやドレスは必要ありません(正教会など、少し改まった服の方が多い教派もあります。詳しくは後述します)。
  • ジーンズやスニーカーの人もいます。値段よりも清潔感、と案内している教会が多いです。
  • 極端に肌が出る服(丈の短いスカート、ノースリーブ、短パン)だけ避けておくと、どの教派でも落ち着いていられます。
  • 建物の中では帽子を脱ぐのが一般的です。ただし、治療中やそのほか体調・医療上の理由で頭を覆っている場合、ほかの宗教の習慣として覆っている場合は、そのままでかまいません。また正教会には、女性が布で頭を覆う習慣もあります(後述します)。
  • 十字架のネックレスも聖書も、持っていなくてかまいません。手ぶらで行けます。

結論は「きれいめの普段着」です

日本の教会の案内を読んでいくと、服装についてはよく似たことが書かれています。日曜日のふだんの礼拝なら普段着でまったく問題ない、という趣旨の案内を出している教会が、教派を問わず多くあります。

めやすは「電車に乗って出かけるときの服」です。近所のコンビニに行く格好よりは少し整える。友人と昼食に行くくらいの服なら十分。それ以上は要りません。

司式する人は式服を着ていることも、スーツを着ていることもあります。どちらを着るかは教派や教会によって違いますが、いずれにしても参加する側に同じ装いを求めるものではありません。

具体的にすると、こうなります。

迷ったらこれ避けておくと安心
上に着るもの襟のあるシャツ、ポロシャツ、ブラウス、無地のニットやカットソー大きなロゴのTシャツ、肩や背中が大きく出る服
下に着るものチノパン、落ち着いた色のパンツ、濃い色のジーンズ、ひざ前後の丈のスカートやワンピース短パン、丈の短いスカート
足もと歩きやすい靴、低めのヒール、穴のあいていない靴下サンダル、汚れた靴、音の大きいヒール

スカートでなければいけない、ということはありません。パンツで参加している人はふつうにいます。色も自由ですが、初回で迷うなら落ち着いた色のほうが、自分の気持ちが楽になります。

教派によるちがいのめやす

服装の空気は、教派によって少しずつ違います。あくまで傾向として読んでください。

教派服装のめやす知っておくと落ち着けること
カトリック平服でよい。少し整えた普段着肌の露出は控えめに。聖堂の中では帽子を脱ぐ
正教会少し改まった服。露出は控えめに長椅子の少ない聖堂があり、立っている時間が長め
聖公会・ルーテル落ち着いた普段着立つ・座るの切り替えが多め。周りに合わせれば大丈夫
プロテスタント(伝統的な礼拝様式)普段着からきれいめまで幅がある年配の方がきちんとした服装のことも
プロテスタント(バンド演奏などの礼拝様式)普段着の人が多い傾向Tシャツやデニムの人も見かけます

同じ教派でも、教会が建った年代や集まっている人の年齢層で雰囲気はかなり変わります。表よりも、行きたい教会そのものの案内のほうが正確です。

正教会について補足します。聖堂に長椅子がほとんど置かれていないことがあり、立って祈るのが伝統的な姿勢とされています。そのため、ヒールの高い靴や、長く立つとつらい靴はあまり向きません。歩きやすい靴で行くと楽です。

ただし、立ち続けなければいけないわけではありません。壁際などに椅子が置かれていることが多く、体調がすぐれないとき、妊娠中のとき、持病や障害があるとき、単純に疲れたときは、座ってかまいません。これは正教会にかぎった話ではなく、立つ・座るの動きがある教派すべてに当てはまります。周りと同じ動きができなくても、たいていの教会では自然に受け止められます。気になるときは、入口で案内している方に「立ち座りがつらいので座ったままにします」と一言伝えておくと、席の選び方まで含めて配慮してもらえることがあります。

女性が頭にスカーフをかぶる習慣もありますが、日本の教会でどこまで求められるかは教会によって違います。気になる場合は、その教会に直接たずねるのがいちばん確実です。東京の正教会は正教会の一覧から確認できます。

夏と冬で困りやすいところ

服そのものより、体感温度で失敗する人のほうが多いかもしれません。

夏は、ノースリーブや短パンだと少し浮くことがあります。とくに古い聖堂を持つ教会では、肌の露出を控えるよう案内している場合があります。ノースリーブで出かけたい日は、薄手の羽織るものを一枚持っていけばそれで解決します。

冬は逆に、暖房の届きにくい席があります。建物によって冷暖房の効き方の差は大きく、石やレンガでできた古い建物では、外より寒く感じる席もあります。夏の冷房が弱い教会もあります。どちらの季節も、上に羽織れるものが一枚あれば困りません。厚手の靴下も冬には効きます。

靴を脱いで上がる教会もあります

日本の教会には、靴を脱いで上がる建物があります。畳やじゅうたんの部屋を礼拝に使っている教会、子どもの教室を兼ねている部屋を使っている教会などです。これは教派の問題ではなく建物の事情なので、どの教派でも起こります。入口にスリッパが用意されていることもあります。

つまり、靴下に穴が空いていないかどうかは、実際に確認しておく価値があります。ストッキングやタイツで行く日も同じです。素足にパンプスで行って、脱ぐことになって焦る、というのはよくある場面です。

もうひとつ、床の材質によっては靴音がよく響きます。お祈りの時間は本当に静かになるので、かかとの高い靴は自分が気になってしまうかもしれません。歩きやすい靴のほうが、結果的に落ち着いて過ごせます。

十字架のネックレスは必要ありません

まだ洗礼を受けていない方が礼拝に行ってよいのかという不安と、服装の不安はつながっています。どなたでもお越しくださいと案内している教会は、教派を問わず多くあります。

ですから、十字架のアクセサリーも、聖書も、賛美歌の本も、持っていなくてまったく問題ありません。聖書や式次第は貸してもらえる教会が多くあります。アクセサリーはふだんどおりで大丈夫です。目立ちすぎるものだけ外しておけば、それ以上考える必要はありません。

献金の箱や袋が回ってくることがありますが、はじめての日は入れなくてまったく問題ありません(教会の献金にくわしく書いています)。

途中で、聖餐(カトリックでは聖体拝領、正教会では領聖)の時間があることもあります。カトリックと正教会では、これはその教会で洗礼を受けた信徒が受けるものと決まっています。プロテスタントは教会によって考え方が分かれます。いずれにしても、はじめての方は席に座ったままで何の問題もありません。カトリックでは、列に並んで祝福だけを受けられる教会もあります。当日の流れ全体ははじめて教会に行く日の流れにまとめています。

それでも「浮かないか」が心配なとき

正直に書くと、はじめて来た人が浮くかどうかは、服よりも「知らない場所に一人でいる」という緊張のほうが大きく影響します。その緊張を減らす方法は三つあります。

ひとつめは、色を落ち着かせることです。黒・紺・グレー・ベージュのような色でまとめると、どんな教会でも自然に見えます。初回だけの工夫として有効です。

ふたつめは、席の位置です。うしろのほうに座れば、周りの人が立ったり座ったりするタイミングを見てから合わせられます。動作がわからなくて固まる、という事態を避けられます。

みっつめは、行く前に聞いてしまうことです。「はじめて伺うのですが、服装はどうすればよいですか」と電話やメールでたずねるのは、まったく失礼ではありません。教会ごとの答えがいちばん正確ですから、気になる教会に直接聞くのが確実です。連絡先は場所からさがすの各教会のページから確認できます。

服装だけを理由に断られることは、日曜日の礼拝ではほとんどありません。ただし、大きな行事の日や、人数のかぎられた集まりのこともあるので、日程だけは事前に確かめておくと確実です。当日、席に着いてしばらくすれば、気づいたときには服のことを考えなくなっているはずです。

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