クリスマスの教会に行ってみたい
クリスマスに教会へ行ってみたいけれど、信者でないのに入っていいのか。教派ごとに日にちも呼び方も違います。仕事帰りに間に合う時間、服装、献金、パンとぶどう酒、混雑と入場制限まで、当日の疑問に答えます。
12月24日の夜、教会の前まで来て、入らずに帰る人がいます。中から歌が聞こえる。人が次々に入っていく。でも自分は洗礼も受けていないし、聖書も開いたことがない。ここで扉を押したら、場違いなのではないか。
先に書いておきます。クリスマスは、はじめて来られる方への案内を、あらかじめ用意している教会が多い日です。ただし、どの回にも自由に入れるわけではありません。申込みが要る回や、信徒を優先する回もあります。その違いを先に知っておくと、当日に迷いにくくなります。
まずはこれだけ
- クリスマスの礼拝・ミサは、信者でなくても参加できると案内している教会が多くあります
- ただし申込制・入場制限・信徒優先の回があるので、行く前にその年の告知を見てください
- 日にちは教派で違います。カトリック・聖公会・ルーテル・プロテスタント諸教会は12月24日の夜と25日。日本ハリストス正教会は教会の暦にしたがう1月7日が本来の降誕祭ですが、12月25日にも祝う教会が多く、両方で祝う聖堂もあります
- 12月25日ではなく、直前の日曜を「クリスマス礼拝」にする教会があります
- 服装は普段着でかまいません。献金を入れなくても、パンやぶどう酒を受け取らなくても大丈夫です
信者でなくても行けるのか
多くの教会は、クリスマスの案内に「どなたでもご参加いただけます」と書いています。ろうそくの灯りで行う燭火(しょっか)礼拝を、家族や友人と一緒にどうぞ、と紹介している教会もあります。
一方で、そうでない回もあります。
- 信徒を優先する回 — 席数に限りがあるため、24日の一部の回を信徒優先とし、そのほかの回にどなたでも来ていただけるよう、案内を分けている教会があります
- 申込みが要る回 — 都心の教会には、24日夜のミサを事前申込制にして、定員に達した時点で締め切るところがあります
- 整理券を配る回 — 混雑が見込まれる回では、当日に整理券を配って人数を調整することがあります
教会そのものが閉じているのではなく、同じ教会でも回によって案内が違う、ということです。確かめるのは「入っていいか」ではなく「どの回に行けばよいか」です。
日にちも呼び方も、教派で違います
クリスマスの話は「カトリックか、プロテスタントか」で語られがちですが、それだけでは足りません。二つに分けてしまうと、聖公会・ルーテル・正教会の実際とずれます。ここでは分けて書きます。
| 教派 | 日にち | 呼び方の例 |
|---|---|---|
| カトリック | 12月24日の夕方から深夜、25日 | 主の降誕のミサ(前晩・夜半・早朝・日中) |
| 聖公会 | 24日の夕方から夜、25日、直前の日曜 | 降誕日前夕の礼拝、降誕日聖餐式 |
| ルーテル | 24日の夜、25日、直前の日曜 | クリスマス・イヴ礼拝、降誕祭の礼拝 |
| そのほかのプロテスタント諸教会 | 24日の夜、25日、直前の日曜 | クリスマス・イブ礼拝、燭火礼拝、キャンドルサービス、クリスマス礼拝 |
| 正教会(日本ハリストス正教会) | 1月7日(教会の暦による本来の日)。12月25日にも祝う教会が多く、両方の聖堂もある | 降誕祭 |
カトリックには、主の降誕の日に夜半・早朝・日中の三つのミサをささげる古い伝統があります。これとは別に、12月24日の夕刻に用いる「前晩」の式文があり、カトリック中央協議会は、降誕節は主の降誕の前晩の祈りに始まると説明しています。ひとつの教会が24日から25日にかけて何度もミサをささげるのは、こうした区分があるためです。
聖公会も、24日夕方の「降誕日前夕の礼拝」と、25日の「降誕日聖餐式」を分けて案内する教会が多くあります。
プロテスタント諸教会は、教団や教会ごとの違いが大きいところです。主日(日曜)の礼拝を教会生活の中心に置いているため、12月25日ではなく直前の日曜を「クリスマス礼拝」にする教会があります。同じように、直前の日曜に降誕日の聖餐式を行う聖公会の教会もあります。25日が平日にあたる年は、どの教派でも日程が動きます。25日に行くつもりなら、その教会がその日に礼拝・ミサをするかどうかを先に確かめておくと確実です。
正教会は暦そのものが違います。日本ハリストス正教会は教会の暦(ユリウス暦)にしたがうため、その12月25日は、いまの暦の1月7日にあたります。ただし日本では、宣教上の配慮から12月25日にも降誕祭を祝う教会が多くあります。東京復活大聖堂(ニコライ堂)のように、新暦の12月24日の夜と25日、旧暦の1月6日の夜と7日、その両方で祈りをささげる聖堂もあります。一方、司祭が巡回する教会では1月7日だけ、ということもあります。日にちが一定しないので、行く前にその聖堂に確かめてください。
12月の日曜や土曜の昼に、子どもたちがイエス誕生の場面を演じるページェント(降誕劇)を行う教会もあります。
仕事帰りに間に合う回はあるか
24日の夕方から夜が本命です。イヴの礼拝は、夕方5時、6時、7時といった時刻から始まる教会が多く、1時間から1時間半ほどで終わります。19時に会社を出ても間に合う回はあります。
もっと遅い時間なら、24日の夜10時台に始まるミサや聖餐式を用意している教会があります。仕事が長引いた日でも選択肢が残ります。
25日が平日でも選択肢はあります。朝7時台の回や、夕方18時の回を用意する教会があります。出勤前と退勤後、どちらでも行ける形です。
英語や中国語、韓国語、タガログ語の礼拝・ミサを別に用意する教会もあります。日本語以外で参加したい方は外国語の礼拝・ミサから探せます。
混みます。入れないこともあります
24日の夜、都心の大きな聖堂は混みます。案内に「参列者が多い場合は入場を制限することがあります」と、あらかじめ書いている教会もあります。
現実的な対策は三つです。
- 開始の30分前には着く — 申込みの要らない回でも、席が埋まれば締め切られます
- 24日の夜を外す — 25日の日中は、同じ降誕祭でもずっと落ち着いています(回ごとに式文は変わります)。なお、直前の日曜を「クリスマス礼拝」にしているのは主にプロテスタント諸教会と一部の聖公会・ルーテル教会で、カトリックの教会ではその日はまだ待降節のミサです
- 駐車をあてにしない — 24日は公共交通機関を使うよう案内する教会が多く、周辺に駐車できる前提で動くと当日困ります。車でないと移動が難しい事情があれば、駐車場や乗り降りできる場所について、事前に教会へ相談してみてください
はじめて行くなら、ピークを外したほうが進行を追いやすくなります。
当日のこと
服装と、体のこと
普段着でかまいません。「どうぞ普段着でお越しください」と案内に書いている教会もあります。スーツも正装も要りません。12月の夜ですから、暖かくして行ってください。聖堂によっては足元が冷えます。
立ったり座ったりする場面がありますが、疲れたら座ったままでかまいません。ろうそくを配られても、持つのがむずかしければ持たなくて大丈夫です。車椅子やベビーカーで行くなら、入り口や座席のことを先に問い合わせておくと、当日が楽になります。
献金
信徒にとっては礼拝の一部ですが、はじめての方が入れなくてもまったく問題ありません。金額の決まりはなく、「お金を入れなくてもかまいません」と明記している教会もあります。袋やかごが回ってきたら、そのまま隣の方へ渡してください。くわしくは教会の献金はいくら?に書きました。
パンとぶどう酒
礼拝の途中で、パン(と、教会によってはぶどう酒やぶどう液)が配られる場面があります。呼び方も教派で違い、カトリックでは聖体拝領、正教会では領聖といいます。聖公会・ルーテル・そのほかのプロテスタント諸教会では聖餐と呼ぶのが一般的で、聖公会では受けることを陪餐ともいいます。
これを受けられる方の範囲は、教派や教会によって考え方が違います。当日の案内に従えば大丈夫で、はじめての方は席に座ったままでも問題ありません。受け取らない方のために、進み出て祝福だけを受ける形を案内する教会もあります。カトリックでは、洗礼を受けていないことを伝えると祝福を受けられる、と案内する教会があります。聖公会やルーテル、そのほかのプロテスタント諸教会にも、同じように祝福を用意する教会や、洗礼の有無を問わずどなたでもと案内する教会があります。迷ったら、動かずに席にいてください。
写真
式のあいだの撮影は控えてください。堂内での撮影を遠慮するよう案内している教会があります。携帯電話は、音が鳴らないようにしておきます。
ひとりで行く方、連れがいる方へ
ひとりで行くのは、めずらしいことではありません。受付の方に「はじめて来ました」と伝えると、席や進行を案内してもらえます。後ろのほうに座ると、まわりの動きを見ながら合わせられて楽です。
クリスマスに教会の扉を押す方のなかには、その年に身近な人を亡くした方や、しんどい時期を過ごしている方もいます。何のために来たのかを説明する必要はありません。歌わなくても、祈らなくてもかまいません。座って、黙って過ごしていて大丈夫です。
連れ立って行ってもかまいません。ふたりで来る方も、友人同士で来る方もいます。ただし、静かに過ごす時間です。私語は控えて、進行に合わせて座っていてください。そのあとに予定があるなら、終了時刻を先に確かめておくと安心です。
お子さん連れなら、ページェントのある回はもともと子ども向けです。母子室を用意している教会もあります。逆に、24日の夜遅い回は、小さいお子さんには遅い時間になります。年齢に合わせて回を選んでください。
当日の流れ全体ははじめて教会に行く日の流れに、服装のことは教会に行くときの服装にまとめています。
その年の予定を確かめる
クリスマスの日程は毎年変わります。ここでは具体的な日時を書かず、確認の手順を書きます。
- 「教会名 クリスマス」で公式サイトを見る — 告知が出るのが12月半ばになる教会もあります。11月に見て何もなくても、もう一度見てください
- 年と曜日を確かめる — 検索すると去年の案内が上に出てくることがあります。ページの日付と曜日が今年のものか、必ず見てください
- 見るのは三点 — 申込みが要るか、どの回に参加できるか、開場は何時か
- 分からなければ問い合わせる — 「クリスマスのミサに、信者ではないのですが行ってもいいですか」で通じます。よく寄せられる質問です。ただし12月は教会も忙しい時期なので、用件は手短に伝えてください
通常の日曜の礼拝時刻は礼拝の時刻表で調べられますが、クリスマスの週は特別な日程に変わります。あくまで普段の目安として使ってください。
最後にひとつ。クリスマスは12月25日で終わりません。カトリック中央協議会の説明では、降誕節は主の降誕の前晩の祈りに始まり、年が明けてからしばらく続きます。日本ハリストス正教会には、1月7日の降誕祭があります。年内に行きそびれても、まだ時間はあります。ただし、いつまで飾りを残すかは教会によって違います。教会の一年の流れは教会暦とキリスト教の行事をどうぞ。
東京の教会は東京の教会一覧から区市町村や最寄り駅でさがせます。教派から探すなら、カトリック、プロテスタント、聖公会、ルーテル、正教会の一覧があります。
次に読むなら
- はじめて教会に行く日の流れ — 入ってから帰るまでの流れ
- 教会暦とキリスト教の行事 — アドベント、クリスマス、イースターの位置関係
- 教派のちがい — カトリック、プロテスタント、聖公会、ルーテル、正教会