教会の一年
クリスマスとイースターは何の日? イースターの日付が毎年変わるのはなぜ? 教会が一年かけて何をしているのかと、はじめての人が行きやすい日について。
いきなりですが、クイズです。教会にとって一年でいちばん大きな祝日は?
クリスマス——と答えたくなりますが、違います。正解はイースター(復活祭)。日本での知名度と、教会の中での重要度が、きれいに逆転している祝日です。
まずはこれだけ
- 教会の一番の祝日はクリスマスではなくイースター
- イースターの日付は毎年変わる。太陽と月で決まるから
- チョコのアドベントカレンダーの正体は、教会の「クリスマスを待つ期間」
- はじめて行くなら、実はクリスマスより普通の日曜や無料の音楽会のほうが入りやすい
イースターって、何の日?
イエスが十字架で処刑されて、3日後に復活した——キリスト教はこれを信じる宗教です(くわしくは「キリスト教ってどんな宗教?」)。イースターはその復活を祝う日。つまり信仰のいちばん中心にある出来事の記念日なので、教会にとってはこれが一年の頂点になります。カトリック中央協議会も、復活祭を「すべての祝祭日の中心」と位置づけています。
日本でイースターの影が薄いのは、たぶんプレゼントもケーキも定着しなかったからで、教会の中では毎年ちゃんと一大イベントです。
日付が毎年変わるのはなぜ?
クリスマスは12月25日で固定なのに、イースターは毎年動きます。決め方はこうです。
春分のあとの、最初の満月の、次の日曜日
太陽(春分)と月(満月)と週(日曜日)の3つで決まる、天体のイベントに近い決め方です。この結果、イースターは3月22日から4月25日のあいだを毎年旅します。2026年は4月5日でした。
なんでこんな決め方かというと、イエスの復活が「過越(すぎこし)」というユダヤ教の祭り——春の満月の時期——の直後に起きたと聖書に書かれているからです。日付ではなく「季節と月」で覚えられていた出来事なんです。
細かい話(読み飛ばしてOK) 正確には、この「春分」は暦の上で3月21日と固定された日付で、「満月」も教会の暦で計算された満月です(国立天文台の暦計算室も同じ説明をしています)。さらに正教会は同じ原則をユリウス暦という古い暦の上で適用するため、日付がずれる年があります。2026年はカトリック・聖公会・日本基督教団が4月5日、正教会は4月12日。逆に2025年は全部そろって4月20日でした。呼び名も「復活祭」「復活日」「復活大祭」と教派で少しずつ違います。
教会の一年は、2つの山でできている
教会には独自のカレンダー(典礼暦)があります。細かく見ると行事だらけですが、骨組みはシンプルで、大きな祝日が2つあり、それぞれに準備期間が付いているだけです。
| 準備期間 | 本番 |
|---|---|
| アドベント(クリスマス前の約4週間) | クリスマス(12月25日) |
| レント(イースター前の約40日) | イースター(3月22日〜4月25日のどこか) |
ここで身近な謎がひとつ解けます。12月に1日ずつ窓を開けるチョコのアドベントカレンダー。あれはこの「アドベント(待降節)」を数える習慣が、お菓子になったものです。教会の暦は、意外とコンビニにも並んでいます。
イースターのあとには続きがあって、50日目の「ペンテコステ」で教会の誕生を記念します。教会の一年は、だいたいこの流れの繰り返しです。
クリスマスの豆知識
聖書に、イエスの誕生日は書かれていません。12月25日になった経緯には複数の説があり、カトリック中央協議会も、計算によるとする説と、当時の太陽の祭りをキリスト教化したとする説を並べて紹介しています。断定できる話ではない、というのが誠実なところです。
また、正教会の降誕祭は暦の違いから1月7日に祝われることがあります。ニコライ堂では12月25日と1月7日の両方で祈祷が行われています。
はじめての人が行きやすいのはいつ?
クリスマスは、実は行きやすいとは限りません。
多くの教会が「どなたでも」と迎えてくれるのは本当です。ただ、都心の大きな教会は混みます。実際に、事前予約制(カトリック麹町 聖イグナチオ教会の12月24日の日本語ミサ)、当日整理券(同教会の英語ミサ、カトリック神田教会)、信徒限定の回(東京カテドラルの12月24日17時)といった制約が付いた例があります。同じ教会でも日や回によって扱いが違うので、行くならその年の告知を必ず確認してください。
はじめてなら、むしろこちらがおすすめです。
- 普通の日曜礼拝 — 空いていて、教会の素の姿が見られます
- 無料の音楽会 — 東京カテドラルの「オルガンメディテーション」(毎月第2金曜18:30・無料)や、霊南坂教会の「水曜チャペルコンサート」(毎週水曜12:30・自由入場)のように、一般向けに開かれ続けている会があります
どの行事でも、参加することと、パンとぶどう酒を受け取ることは別です。聖体拝領・陪餐は洗礼を受けた人に限られるのが一般的で、はじめての人は席に座ったままで問題ありません。
当日の流れは「はじめて教会に行く日の流れ」、教会さがしは東京の教会一覧からどうぞ。
参考にした資料
- 典礼(儀式)・行事/典礼暦年の構成・カトリック中央協議会
- 降誕節(12月25日の由来、日本での公現の移動)・カトリック中央協議会
- 過越の聖なる三日間・カトリック中央協議会
- イースター(暦上の春分・計算による満月)・国立天文台 暦計算室
- 年次移動祝斎日表・日本聖公会
- 教会暦・行事・日本基督教団
- 正教会の復活祭と12大祭・日本ハリストス正教会
- 降誕祭(12/25・1/7)・日本ハリストス正教会
- オルガンメディテーション・東京カテドラル聖マリア大聖堂
- 水曜チャペルコンサート・霊南坂教会
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